ディスクシリンダーはウェーハータンブラー錠とも呼ばれ、鍵の両面がギザギザになっている昔ながらの鍵で、今でも広く住宅の玄関や倉庫などに使われています。
似ているタイプでピンタンブラーというシリンダーがあり、こちらは鍵の片側は真っ直ぐで、もう片側にギザギザの形状をしていていシリンダーと鍵が噛み合う仕組みです。
ピンシリンダーに比べてディスクシリンダーは両面にギザギザのあることから防犯性が高いとされて、80年代から90年代にかけて広く普及しました。
現在は廃盤にしているメーカーも多く、新規導入する鍵としての需要は減少しています。
もともとはピンシリンダーよりも高い防犯性能のあるシリンダー錠として登場しましたが、鍵の防犯性能の進化と並行して泥棒のピッキング技術も進化しています。
2000年代前半に入るとディスクシリンダーへのピッキング技術が広まって全国で空き巣被害が増加しました。
その結果、鍵メーカーはティンプルキーなど、さらに防犯性能の高い鍵に重点を置き、新規導入する鍵はディスクシリンダーから違う形に変化しています。
これから防犯を意識したシリンダー交換をする人にはオススメできませんし、現在ディスクシリンダーを使っている人は、さらに防犯性能の高い鍵への交換をオススメします。
慣れた人の手にかかればディスクシリンダーでも2~3分でピッキングによって開錠されてしまうので、鍵の本質である防犯性能に欠けることがディスクシリンダーのデメリットです。
ティンプルキーと比較するとディスクシリンダーとの価格差は2倍ほどあります。
安く導入できますし、合鍵を簡単に作れるメリットがあります。
安いので玄関に鍵を2つ設置するのも簡単ですし、合鍵を作って家族全員が自分用の鍵を持ったり、無くす機会の多い人は合鍵や鍵開け業者を利用するときも安く済むメリットがあります。
ディスクシリンダーの合鍵であれば、お店の店頭ですぐに500円ほどの費用で作れて、紛失時に業者を呼べば鍵開けで対処してもらえます。
ディンプルキーは一部の鍵開け業者で合鍵作成を扱っていますが、複製が難しいため費用は高くて鍵が開かない、開けにくいといったトラブルも多いです。
合鍵を作る場合はメーカーにシリアル番号を伝えて注文する形になり、費用も2,000円~3,000円/本が相場です。
また、万一紛失してしまうと鍵開け業者に対応してもらうときに時間を要して費用も高額になりやすいデメリットがあります。
日本は安全な国で世界の中では空き巣被害は少ないです。
狙われるのはお金持ちの家が中心で、一般的な住宅の場合はプロの窃盗団に狙われるリスクは少なく、被害の大半は鍵のかけ忘れによる無施錠の家です。
プロに狙われるような財産は家の中にないし、お金に困って行き詰まったような素人の犯行さえ防止できれば十分と考えている方も多いです。
鍵は最低限の施錠できればよいと考えている方は、ディスクシリンダーはエントリーグレードとしてオススメできます。