平成15年以降、およそ16年の間にわたって空き巣、金庫破り、事務所荒らしなどの“侵入窃盗”と言われる犯罪の件数は減少傾向にありました。しかし「33.0%」という最も大きい割合を占める被害発生場所は「一戸建ての住宅」という結果も出ていることから、自宅の防犯を強く意識しなくてはいけないことに変わり無いようです(①)。
2000年代初頭にブームが起こったことで認知が広まったピッキングは、鍵を使わずに特殊な金属の棒を用いて行う解錠の手口です。
ブームの背景にピッキング専用ツールが一般にも流通したという事実があり、現在でもネットショッピングを利用すれば数千円で簡単にツールが出に入ってしまうほど容易に行われる犯罪になります。
ピッキングブームを受け、当時ではまだ少数派だったディンプルキーというタイプの鍵への交換が急速に広まりました。
ディンプルキーは、それまで日本で普及していたディスクシリンダーキーに対して、錠前に組み込まれているピンへのアプローチが倍になったことで、解錠パターンを最大1兆通りまで拡大させたピッキングに対して絶大な効果を見せる”鍵です。
サムターン回しは、ピッキングに比べ認知度は劣るものの、いまだに警戒をしておきたい開錠手口になります。サムターンとは、鍵をかける際に用いる室内側のつまみのことです。
サムターン回しは、扉の外側から電動ドリルのようなもので錠前付近に穴を開け、特殊な器具を潜り込ませてサムターンを回すというもので、窓ガラスを破壊した後にクレセント錠を開けて侵入する“ガラス破り”に似た手口になります。
サムターン回しの対策としてはサムターンを覆うカバーをつけることで対策が可能です。サムターンカバーで検索すると、平均して「1,500円~2,000円」で購入する事がわかりますが、安いものだと「500円」程度でも対策ができるグッズになります。
鍵を落としてしまった場合や鍵を観察される機会があった場合は合鍵を作られてしまうリスクが考えられます。合鍵は些細な情報から簡単に作る事ができるので、日頃から鍵の管理には気をつけなくてはいけません。
合鍵作成の被害は数多く手口が存在しますが、中でも賃貸の新規入居時に前入居者が合鍵を返還していなかったことで窃盗に入られたケースは恐ろしいものになります。
かならず不動産会社に鍵の交換が行われたことを確認し、交換がされてなかった場合はとりあえず自費でも交換をするようにしましょう。
侵入窃盗は近年減少傾向にあるものの、油断をしていれば確実に被害を遭ってしまう危険な犯罪です。簡単に想像できてしまう最悪のケースに遭遇しない為にも、ぜひこの機会に防犯対策を見直してみてはいかがでしょうか。
出典①:「住まいる防犯110番」警視庁(https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_b_1.html)