ディンプルシリンダーは鍵の平面部分に複数の凹みを持たせた防犯性能の高い鍵です。
ディンプルは「くぼみ」という意味で、貫通はしていない穴を複数持たせて鍵とシリンダーを噛み合わす仕組みです。
ピンシリンダーやディスクシリンダーは鍵の側面の形状をギザギザさせていますが、ディンプルシリンダーの側面は直線になっています。
もともとはディスクシリンダーの空き巣被害が増えたことで普及した経緯があり、ピッキング被害のリスクを大幅に軽減できるのがメリットです。
デメリットは導入コストが高いことと、紛失した時に呼ぶ鍵開け業者でも破壊して開錠する方法を取られるケースもあるなどトラブル対処費用が高額になることです。
両面がギザギザの形状をしたディスクシリンダーは慣れれば2~3分でピッキングによる開錠ができてしまいます。
ディンプルシリンダーは防犯性能が高く、ピッキングによる空き巣被害のリスクを限りなくゼロに近づけられます。
防犯性能の高い一方で紛失して業者を呼んだ時の対応は、ほとんどのケースで鍵を破壊したり、シリンダー交換をしたりします。
一部の業者ではシリンダーを壊さずに鍵開けでの対応をしていますが、腕の良いスタッフでしか対応できません。
主にベテランの1人親方で運営している所が鍵開けでの対応を可能にしていて、複数名のスタッフで運営している大手になるほど破壊での対応になることが多いです。
鍵開けで対応できたとしても作業に時間のかかることも多く、費用も高額になります。
シリンダー交換費用もディスクシリンダーの2倍前後になります。
プロであれば開けることは不可能ではないので、ピッキング被害にあうリスクもゼロではありませんし、将来的には突破ツールが開発される懸念もあります。
ただし、ディンプルシリンダーが普及して15年以上経過していても画期的なピッキング手段は登場していないため将来的に見ても長く防犯性能の高いシリンダー錠として使える可能性は高いです。
現在は一般住宅の大半はディスクシリンダーやピンシリンダーなので、よほど高価なものがあることを知られた場合を除いて、ディンプルシリンダーの鍵を突破しようとする泥棒はほとんどいません。
ディンプルシリンダーを導入した家は窓や勝手口など他の侵入経路から泥棒被害にあうケースが多いです。
全般的に防犯性能は高いですが、大手メーカーは一度もピッキング被害にあったことのない実績を持っていることもあります。
防犯性能が高ければ、鍵開け業者を呼んでも対応しきれないこともあります。
ディンプルシリンダーの鍵開け技術は持っているけど、メーカーによって対応できないこともあり、出張対応時にトラブルになることを嫌って最初から破壊対応をアナウンスしているケースもあります。
大半のケースでは、鍵開けにチャレンジはしてみるけど、ダメだったら破壊での対応になることを伝えた上での対応になります。
防犯性能が高いことから、現在の普及率は30%を超えています。
新規導入(交換含む)する際の主流になってきています。
合鍵を作る時はメーカーへの注文になり、導入費用もディスクシリンダーの2倍以上が相場でコスト面がデメリットになりますが、鍵本来の目的を果たせる防犯性能お高い鍵の中ではリーズナブルです。
開閉も簡単ですし、鍵が突起していないのでカバンやポケットに入れても傷つきにくく、電子錠と違って紛失しなければ鍵を開けられないリスクもありません。